2008年01月30日

睦月行く

とまり木に 一息つくや むつみ月
お疲れさんと、一月も行きて。
一年のうちで一月ほど気疲れする月もない。
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2008年01月29日

泰山木

常緑の 冬日通さず 染まりけり
霜踏みて高木の葉の裏ばかり仰ぎみる
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2008年01月28日

かくれんぼ

冬の日や アキニレの背に かくれんぼ
まだらに剥がれたるアキニレの樹皮、母のしもやけの手ぞ思い出し、痛々し。
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2008年01月28日

薄氷踏み

そろそろと 薄氷踏みし 日の出かな
池にうすく張った氷。
日の出は日一日と早くなっている。
厳寒の朝、拝みたくなるのは人間ばかりじゃない。
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2008年01月28日

朽ち木

冬ざれに 年輪喰われ のたれ死に
年月に年輪蝕まれ土に還る 藪の洩れ日にあわれ春ぞ懐かしむ
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2008年01月27日

霜夜明け

鳩胸も 豊満なるや 霜夜明け
目覚むるや赤き鳥目の枝の先朝の光にひと鳴きもせず
霜の道
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2008年01月26日

朽ち花

山茶花や つぼみ残して 落とす首
どの世界にも必ずやってくる世代交代、種のためにくり返される個の命 
短き命哀れむや俳句人
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2008年01月26日

かほり

君かほり しみこむ唄や シクラメン
疲れを知らない子供のように
時が二人を追い越して行ったなあ
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2008年01月25日

矢の如し

節分を さておきひなの はためきぬ
「世界じゅうの女の首を真珠でしめてごらんにいれます」
真珠王の御木本幸吉。明治天皇の前で申しのべたと。
「芭蕉は歩いてあれだけの棒杭(句碑)を建てとる。
電車を使う貴様は芭蕉の30人前はやれ」
高浜虚子を叱咤したと。  今朝の読売新聞編集手帳より。

明治の話である。
現代は歩いた方がいいように、凡人は思うのだが。

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2008年01月24日

哀れむなかれ

くるまるや 破れ蒲団の 花の柄
ホームレス、ブルーテント、橋の下も道の上も同じ天の下
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2008年01月24日

猛寒日

手袋の 指も曲がりて ボタン押す
我一人のために信号が変わる。我一人のために車列ができる。小走りに渡る。
急いで渡ったからといって信号も急いで変わるわけでもないのに。
気を使う信号機だ。
耳のちぎれる寒さ。
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2008年01月23日

朝寝坊

朝寝坊 櫛も通さず 冬木立
朝飯も頭もそのままに走り出る。めし食う暇あったら寝ていたい、
我が娘のこと。先が思いやられる。
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2008年01月23日

写真俳句

文鎮を 写真に置くも 句に置くも 
写真に勝負かける人、句に重心置く人、様々なれど日本全国五七五皆旅人なり、
面白きかな。
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2008年01月22日

雀似て

枝先に 雀止まりて 梅つぼみ
まるまると肥えたすずめが3羽 開花近し
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2008年01月22日

ちゃぶ台

ちゃぶ台の 丸き形に 蜜柑むく
ちゃぶ台は丸い、丸いはお月さま、お月さまはきれい、きれいは母ちゃん、
するとおかずが一品増える、かも。
訳あって昔のちゃぶ台を使うことに。まるい形がいろいろと思い出させてくれる。
ちゃぶ台の脚ぞ直して飯の椀
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2008年01月21日

猿廻し

猿廻しかと思いきや赤きシャツ
遠くから見えたちょっとした人だかり。レンタル屋の前。近づくと赤きシャツの犬。ご主人を待っている。
かわいさに通りかかる人が声をかけていく。猿に似てかなしき犬の赤きシャツ。
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2008年01月20日

うわさ話

黄楊の実や 聞くは垣根に ひそむ声
つげの実は珍しく黒き色。鳥たちに見つからないための保護色か、それとも
おばちゃま達の井戸端会議、うわさ話を潜んで聞くためか。
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2008年01月20日

大寒の雨

水瓶の ひび割れ凍むや 通り雨
痛々しくも干上がりし池の底に追い討ちかけるように降る寒の雨
昔、水争い解決のために造られたという古い池
昔人の叫びが聞こえてきそうな無惨な裂け目
できれば目にしたくない光景である 
まとまった雨がない
明日は大寒
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2008年01月19日

効き目なし

冬風や もぐら脅しの 子守唄
すぐに慣れてしまってあまり効きめはないらしい。土中で眠るもぐらの子守唄にでもなればと、作った人も半分あきらめ顔。これだけではない、まわりには他に十機ほどの飛行連隊。壮観である。
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2008年01月19日

泣く声

幾代も 越えし冬田を 泣かす風
もう、もとの田に戻ることはないのだろう。
土はコンクリートの下に封印され、その上に新しい歴史が始まるのだろう。
吹きゆく風が田の泣き声に聞こえてくる。
時代の風が冷たく吹き抜ける。
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2008年01月19日

訛 り

長距離の こぼれる雪や 国訛り
長距離トラックの屋根から雪落ちて、サングラスの強面の兄ちゃん降りてくる。
話す言葉よく聞けばふるさとの田舎訛り。不思議と親しみ湧いてくる。
故郷の山ぞ見るような。
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2008年01月18日

金 剛

運慶の 腕も疼くや 冬裸木
冬風に痛々しくも裸木あり近づき難し荒きず模様
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2008年01月18日

かのおあしす

おあしすも 手持ちぶさたや 冬の園
公園にぽつんと夏のオアシス。しばれる風に蛇口ひねる手ぞありなん。
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2008年01月17日

足 跡

寒禽の 砂地にもろき 足の跡
寒禽の水面に座して川流れ小雪ちらほら待ちぼうけ橋
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2008年01月16日

祝い月

菜箸の めし粒ほどに 寒の月
菜箸を持ったまま出迎えし妻、空を見あぐると煮炊きのにおいに枝の月
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2008年01月16日

検 知

我在るを 問ふやタイルの 赤き目に
我思う故に我あり、思いだけでは赤く光らない、存在することが大事。
公園のうす暗きトイレにも赤き目光る。便利になった。
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2008年01月15日

あと30分

ゲレンデの 炎吹き消し 十七つ

「産まれるまであと30分、今が一番痛かったなあ」 お母さん。
「そんなに痛いん?」 お姉ちゃん。
「もう産むのはこりごりや思た」
「わたしは?」 妹

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2008年01月15日

落 書

寒中に 心温めよ ほめてやる
さぶっ、ヘタクソッ、落書きにも才能発揮せよ。見ほれるほどに書いてみよ。
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2008年01月14日

どんと祭

神妙に 神牛座すや どんと祭
プラスチックや燃えないものはご遠慮下さい、との張り紙。
牛の大きな目ん玉に正直に持ち帰る人も。
そんなことなど考えもしなかった昔人を思いシャッター押す。
ここのどんと祭は明日。
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2008年01月14日

流れ着き

生まれどこ 尋ねし石の 冬川原
寒い中、先ほどまで子供らが川原で石遊びをしていた。ぽつんと石だけが残された。
いつどこから流れ着いたのか知らないけれど、彼らの旅もまた続く。
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2008年01月13日

雀の涙

寒雀 十七文字に 涙する
ほんの雀の涙ほどでもいい、感動する心が自分にもあることに感動する時がある
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2008年01月13日

大根煮

好きなだけ 引けと笑うや 首大根
母の作りし大根畑。好きなだけやるから自分で引いていけと、笑う。
首すぼめて大根にも笑われたよう。
大根煮がうまい。
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2008年01月13日

白い手袋

足もとの 草を枯らして 叫ぶ声
選挙カーの窓から振られる白い手袋、マイク握る白い手袋、汗の色に染まれ、
油にまみれし軍手より。
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2008年01月12日

霜 柱

冬の田に 陽のしみ通る あたたかさ
冬ほど太陽の恵み感じることはない。冷え込むほど温もりくれる。
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2008年01月12日

馬走る

馬走る 百頭ごとに 百の顔
今の所、無人車はいない。乗っている顔もそれぞれ。運転もそれぞれ。
ひとつひとつに人生を載せている。それもそれぞれ。
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2008年01月12日

酔 う

お湯割りの 芋焼酎や 冬の雨
外はいかにも冷たそうな雨の音。
あったかい芋のにおい、これが嫌いという人が多い。これがたまらんのに。
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2008年01月11日

無意識に 古里の山 さがしおり
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2008年01月11日

乳母車

鴛鴦の 小径に残す 車跡
おしどりの若夫婦押す乳母車散歩道通る。そんな時代もあったなあ。
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2008年01月10日

縁 日

火を囲み 輪になる人の 暖かさ
火にあたる人に悪い人はいないように思う一瞬
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2008年01月10日

十日戎

福笹や 社務所の中の えびす顔
来たる者にえびす顔を、えべっさん
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2008年01月08日

かんきつ

柑橘の 言葉含みて 出る唾
象形だけでなく韻の中にすでに味がかくされている、自然とつばき湧く
日本語っていいなあ
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2008年01月07日

魚ごころ

初釣りや 餌を与えし 水ごころ
ボーズにも「今日は餌やりにきたんじゃっ」と魚ごころ。ただの負け惜しみやん。
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2008年01月07日

港湾クレーン

止めていた 息を吐くよに 動き出し
初稼動
街が生き返った。あちこちから息する音が聞こえてくる。
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2008年01月06日

寝 坊

初干しを 洗濯ばさみ 庭で待ち
嫁はんも疲れたのだろう、珍しくたまった洗濯物ほっといて朝寝坊
久しぶりの我が家、寒の入り
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2008年01月06日

Uターン

しめ縄の 思いほぐすや 初日記
ここ数日を思い綴る、過ぎてしまえば楽しくもあり寂しくもあり、三十四年目の日記。
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2008年01月06日

帰 省

久方に 会うて仰ぐや 竹の節
兄弟家族寄り会うて驚くは、子の成長ぶり、親の老けぶりなり
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2008年01月06日

「嫌いな花ありがとう」

きれいのれ らと間違えし 母メール
母無き子 なりし日までの こうこうや
携帯メール教えて一年、今だに日本語の面白さ教えてくれる
2008年01月06日 »

2008年01月05日

初詣で

おみくじを 見もせず枝に 括る母
今のまんまで、よかよか
2008年01月05日 »

2008年01月01日

今日だけは

ちびちびと 日がな一日 酒びたり
良い年良い年と安売りしもういい年こいて良い好い善いの酔い宵 寝るゾッ!おめでとさん。
2008年01月01日 »