2008年09月30日
■紫苑(758) ■9月の作句一覧
★児の背より 遥か紫苑の 群れ盛る (たんと)
*背丈のある茎の上部に
淡い紫色で菊に似た花をびっしり咲かせる
風に吹かれても倒れることなく
傍を通る幼子の姿をすっぽり覆い尽くし
ユラユラ揺れていた
★平成20年9月の作句一覧↓
2008年09月29日
■朴の実(757)
★醜怪や 赤き朴の実 天に熟る (たんと) 

*日本の樹木のなかで一番大きな葉ともいわれる
朴の木の葉は「朴葉焼き」でも知られるところだが
大型の黄白色の花と花後の実もまた特徴あるもの
実が紅紫色に熟れると袋が裂けて赤いタネが垂れ
樹下に落果するとグロテスクな姿と化す
(下右写真:08/5月撮影)
2008年09月28日
■藤の実(756)
★藤の実の 棚より垂れて 子らはしゃぐ (たんと)
*公園の藤棚の下の砂場で遊んでいる
小さい子供たちを見つめる若いお母さんたち
その頭上には細長く扁平状の莢がブラブラ
「あら、こんな実がなるなんて…」
皆さんのたまげた表情を眺めるのも面白いことだ…
2008年09月27日
■栗(755)
★ぱっくりと 笑み初む栗の 大き口 (たんと)

*トゲのあるイガに包まれた栗の実は成熟するにつれ
裂け目も大きくなり弾け落ちる
裂けて落ちそうな状態を「笑み栗」と呼ぶのも
風流ある表現だなと思う
焼き栗、茹で栗もよいが、栗ご飯はさらによしか
2008年09月26日
■蟷螂(754)
★鍬持てし 吾に蟷螂 斧を上ぐ (たんと)

*逆三角形をした頭、顔はギョロ眼をちらつかせ
前肢を上げると斧鎌のようにもみえるカマキリ
畑仕事をやめて少しチョッカイしてやるとキッと身構えて
鍬を持つ自分に飛び掛ってきそうな、気強いカマキリ…
「蟷螂の斧」とはこういうことなのだろう
2008年09月25日
■紫蘇の実(753)
★紫蘇の実の しごきて香る 酒のつま (たんと)
香りが良いので日々の食卓には欠かせないものだが
穂状に伸びた花と実もまた同じく楽しみな食材だ
実をしごいて刺身のツマに、これまたグー♪
2008年09月24日
■月草(752)
★月草や 郷の色して スカイブルー (たんと)

*身近な花であればこそ、つい見過ごしてしまう花だが
よくよく見れば何と清楚にして可愛い花であることよ
花びらの澄み切った青色と蘂の黄色…
他に類を見ない見事さといって良い
花を衣服につけると青色が染みるので"つき草"とも呼ぶそうな
*「月草(つきくさ)」=「露草」の傍題季語
2008年09月23日
■花薄(751)・写俳ブログ2周年
★揺れつつも 写俳ふたとせ 花すすき (たんと)

*旧ブログで「写真俳句ブログ」を立ち上げたのは
06年9月23日のことであったので
今日は満2歳の誕生日を迎えたことになる。
昨日までに両ブログで公開した写真&俳句数は
合計750(句会投稿分を除く)となった。
数が「365日×2年=730」を超えているのは当初、一日に複数句アップしたことによるもの。
当初、企図していた「一日一句」という目標はパソコン利用不可など物理的原因
のため成し得ない日もあったが、06年11月23日以降はどうにか今日まで
継続することができた。「塵も積もれば…」の諺を地で行くようなものであるが、
ここに至るまでの結果についてはそれなりに成し得たかと素直に喜びたいと思う。
思い起こせば、第1回の季題「芒原」は本日の季題「花薄」と同じであった…↓。
2008年09月22日
■秋灯(750)・写真俳句集
★秋の灯に 親しくめくる 写真句集 (たんと)

*「写真俳句」の提唱者・森村誠一氏の作品と同ブログ会員の作品で構成する俳句集「オリジナル写真俳句作品集
ー写真俳句ブログ」がこのほど刊行された。
会員による自薦の16句と先生の作品との計32句による
コラボレーション、まさに"「世界に一つだけ」の写真俳句"と言ってもよかろう。
句材を我が菜園の収穫物(08/5-8)に特化した16の駄句だが、振り返るに反省することも多々。
でも、秋の夜長をめくり進む気分も満更でもないかな(左頁:森村誠一氏作品、右頁:たんと作品)。
折りしも、明日9月23日は「マイ写真俳句ブログ2周年記念日」となる…。
たんとの写真俳句16句→
2008年09月21日
■月の雨(749)
★大江戸の 街の灯りや 月の雨 (たんと)

*このところ台風の影響もあって
せっかくの名月が見られない夜が続いているが
夜景の楽しみ方はそれなりにあるものだ
皇居の森の先に見える東京タワー、左に日比谷、丸の内
そして大手町方面の眺めも満更でもない夜景だ(東京、如水会館にて)
*「月の雨」=「雨月」の傍題季語
2008年09月20日
■飛蝗(748)
★おんぶして 夫唱婦随の 飛蝗かな (たんと)

*いろんな種類のあるバッタのなかでも
このオンブバッタほど愛嬌あるものはなかろう
背中に小さなバッタを背負ったままでピョンピョン跳ねるので
親が子をオンブしている光景かと思いきや、実際には
メスがオスを独占している「蚤の夫婦」らしいのだ…♪
2008年09月19日
■萩(747)
★乱れ恋ひ 乱れ髪して 乱れ萩 (たんと)


*古くから我々日本人に愛されてきた花で
万葉集に登場する花としては141首のトップだとか
(2位は梅の118首)
なよなよと絡まっているので
全体としては必ずしも印象的な花とは思えないが
蝶のように群れ咲く個々の花の風格はさすがだと思う
2008年09月18日
■曼珠沙華(746)
★大地炎(も)え 天上焦がす 曼珠沙華 (たんと)

鱗茎に有毒性物質を含んでいるらしいし
この世の花ではない何かが潜んでいるようだ
「曼珠沙華」は梵語で「天上に咲く」という花の名とか
「彼岸花」「死人花」「捨子花」とかいう別名も徒事ではない
2008年09月17日
■大根蒔く(745)
★農こよみ 急かし急かされ 大根蒔く (たんと)

*例年であればとっくに終了している筈の
秋、冬野菜の種蒔き作業が遅れ気味だ
別に焦ることもないとは思うが
やはり、気にしないわけにはいかない
大根だけじゃなくって他にいろいろ蒔きたいし…
2008年09月16日
■赤蜻蛉(744)
★鍬持てし 吾と遊ぶや 赤蜻蛉 (たんと)
畝作りを進めるほどに
トンボの数が増えてきたように思うが
まさか土の匂いに寄り集まってきたわけでもあるまい
農作業は一時中止してしばらく"トンボ遊び"と相成った
2008年09月15日
■月下美人(743)
★真夜中に 独り晴れ着の 月下美人 (たんと)
*我が家の月下美人が今年3回目の開花となった
前2回は十分なお付き合いが出来なかったので
この夏最後の開花でなろう今回は何としても見てやらねばならぬ
純白大輪の"美人"は闇夜の中で芳香を放ちながら
わずか5、6時間の儚い人生を閉じていった…
*"ボケ写真"の上画像(満開)…9/13(23:08)
*下画像(左から順に)…9/13(16:00), 9/13(20:07), 9/14(02:10), 9/14(06:15)
2008年09月14日
■水引の花(742)
★真心を 結ぶ水引 幾重にも (たんと)
*水引の花を里山で見つけた
ごく細い花軸に、小さくて濃い赤の花は
さりげなく咲いているようだが
よくよく見ると凛とした風情が伝わって来る
飾り紐の水引、たしかに似ている…
2008年09月13日
■花縮砂(741)
★剣振ひ 放つかほりの 花縮砂 (たんと)
細長い葉で葉先が尖っているので
葉だけでは食用のショウガやミョウガと判別し難い
これまで「純白の花」しか見たことはなかったが
今夏、故郷で「橙色の花」に出会ったのは幸いであった
*「花縮砂(はなしゅくしゃ)」=「ジンジャーの花」の傍題季語
2008年09月12日
■零余子飯(740)
★触るるたび ほろり落ち来て 零余子飯 (たんと)
ヤマイモのツルの葉の付け根に群がる珠芽だが
少し触っただけでポロリと落ちてしまうので
採り集めるのは厄介至極だ
ムカゴメシの美味がその労苦を消してはくれるが…
(メイン画像を差し替えました)
2008年09月11日
■雁来紅(739)
★雁来紅 いよよ飛び来て 色染まる (たんと)
花は葉の付け根のところに固まって咲くが
葉の美しさに押されて目立たない
雁が渡って来る頃に葉が美しく染まることから
命名されたらしい「ガンライコウ」、なるほどね~
*「雁来紅(がんらいこう)」=「葉鶏頭(はげいとう)」の傍題季語
2008年09月10日
■女郎花(738) ■08・9月例句会
★一ト本を 手折りて謡ふ 女郎花 (たんと)
茎の上のほうで三つ又に枝分かれし
その先に黄色い小花がびっしりとつく
謡曲「女郎花(をみなめし)」の場面が思い起こされる
『♪艶めきたてる女郎花。後ろめたくや思ふらん。女郎と書ける花の名に誰偕老を契りけん。
かの邯鄲の仮枕。夢は五十のあはれ世の例も真なるべしや♪』
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■08・9月例句会
2008年09月09日
■狗尾草(737)
★群れなして 尻っぽ振り振り 狗尾草 (たんと)
*通りすがりの道端などで良く見かける
この花穂は全体が毛で覆われているので
子犬の尻尾を連想させるものだ
別名の"猫じゃらし"は猫をじゃれさせて
遊ぶからの命名らしいが、ほんとに戯れつくのかな
2008年09月08日
■狐の剃刀(736)
★リコリスは きつねのかみそり 彼岸花 (たんと)

*俳句作りに当たっては「読者に分かり易いもので…」との
忠告を時として頂くが、本日の一句は敢えてその掟破りだ
「リコリス」は「彼岸花」「狐の剃刀」など
ヒガンバナ科の花を総称して呼ぶらしいことを受けての句としたのだが
季重ねでもあるし、やはりヘンですか~
2008年09月07日
■山法師(735)
★くれなゐに 実るぼんぼん 山法師 (たんと) 

*山法師の"白い花"が 我々の眼を楽しませてくれたのは5月中旬のことであった ヘソのように丸い緑色の球状は 4か月ほどの時を経て今や紅色に色づいてきた 愛嬌あるボンボンの格好が如何にも可愛い →山法師の花(08/05/24)
2008年09月06日
■茗荷の花(734)
★暗がりに 楚々と咲きたり 花茗荷 (たんと)

*「ミョウガ地帯」と称しているわが菜園の一角に
茗荷の美しい花が顔を出し始めた
"ヤブの中"といっても良いような暗がりなので
花の明るさが際立っている
薄く黄色味を帯びた白い花の清楚さが良い
2008年09月05日
■葛の花(733)
★葛の花 繁茂せる葉に 見え隠れ (たんと)
*旺盛な葉の繁茂力は目を見張るほどだが
その葉っぱに見え隠れするように咲く花は
姿かたちといい、色彩といい魅力的だ
葉に圧倒されても花の存在感は確かなもの
秋の七草の一つである所以だろう
2008年09月04日
■小式部(732)
★小式部の むらさき日々に 濃くなりぬ (たんと)

*「紫式部」「実紫」「小式部」「小紫」…
いかにも優雅な名前を持つ植物であることか
緑色をしたその小さな実が次第に紫色に変じ
その濃さが顕著になってきた
ムラサキへのグラデーションがとても好きだ
2008年09月03日
■芋の露(731)
★芋の露 寄り来て哀れ 転げ落つ (たんと)

*里芋の大きな葉に留まった雨露
葉を揺らすと散りばめられた銀色の粒が
寄り合って大きな玉となり
そのまま転がり落ちてしまう
何か哀れさみたいなものを感じるのは何ゆえか
2008年09月02日
■おしろい(730)
★おしろいの 化粧濡れ落ち 夕暮るる (たんと)

*晩夏から初秋にかけて
ラッパ状の花を沢山つける白粉花(おしろいばな)は
夕方になると咲き始めるので「夕化粧」の別名も
種子に白粉質の胚乳があることからの名であろうが
折からの雨に打たれてお化粧が台無しになったか…
2008年09月01日
■椿の実(729)
★椿の実 紅光りして 留守の庭 (たんと)
*椿の実はまん丸い球状で愛らしいものだが
夏の暑さが進むほどに艶のある紅色を増していく
さらに秋が深まるにつれ褐色に変わり
熟すと自然に裂けて中から硬い種がこぼれる
実を絞って得られるのがいわゆる「つばき油」だ
(8月中旬、故郷にて。下右は07/10撮影)

















