2008年12月31日

■年の暮(850) ■12月の作句一覧


★あたらしの 準備ととのひ 年の暮 (たんと)

*元日を明日に控えて一年最後の日となった

冬木立はきれいに裸木に梳き清められ
さっぱりとした気分で新年を迎えるかのようだ

春の芽吹きの準備もまた始まっていることであろう

*ご来訪いただきました皆さま…
おかげさまでこの一年を楽しく過ごさせていただき有難うございました。
来る年も相変わりませず、よろしくお付き合いの程をお願い申し上げます。

★平成20年12月の作句一覧↓

2008年12月30日

■青木の実(849)


★君の唇 濃すぎでないか 青木の実 (たんと)
 

*色彩感に乏しい冬季でも緑色を失わない青木
まさに年中「青い木」だなと思う

晩夏から秋にかけて結実した緑色の実は
今や真紅の光沢あるものになってきた

口紅にしては少し濃過ぎるようにも思うが…

2008年12月29日

■霜枯(848)


★霜枯れて 全うすなり 畑の幸 (たんと)
 

*霜が降り始めると
野の草花はたちまち萎えてしまうもので
畑のサトイモも無残な姿になってきた

地中の芋を掘り出すと
意外にも元気溌剌なのには驚かされるが

2008年12月28日

■切干作る(847)


★切干や 郷のばあばの 匂ひ嗅ぐ (たんと)
 

*大根を太め加減に千切りにし天日干しするだけ

我が切干大根は原始的手法によるものだが
沢庵漬とともに自慢の逸品である♪

干している過程で漂ってくる大根の独特な香りには
故郷を思い出させる魔物が潜んでいるかのよう

2008年12月27日

■沢庵漬製す(846)


★意のままに 曲がる沢庵 漬製す (たんと)
 

*冬の恒例行事になってきた
我が自家製ダイコンの沢庵漬け

天日干ししてシンナリとなった大根を
樽に段重ねしながら塩を混ぜた糠に漬け込む

早く試食してみたい気持ちが先立ってくる

2008年12月26日

■賀状書く(845)


★今年こそ 会おうと又も 賀状書く (たんと)
 

*相手先を絞ってスリム化しようと試みるも
なかなか絞りきれない賀状書き

久闊の友に添え書きする「今年こそ会おう」を
今年も書かねばならぬのには苦笑せざるを得ないが
元日に届く賀状の楽しさを思えば止められないのかな

2008年12月25日

■懸大根(844)


★懸大根 日向の海を 見晴るかす (たんと)
 

*干し大根の産地として有名な九州宮崎
その大根干し作業が本格化してきたようだ

見上げるほどに高いヤグラに懸けられた大根干し風景は
冬を告げる風物詩のひとつでもあり、圧巻そのもの

ヤグラの天辺に上ると日向灘が眺められるのかもねぇ (まさかぁ…♪)
(写真は12月中旬、義弟撮影提供)

2008年12月24日

■聖夜(843)


★諸人の 今宵こぞりて 聖夜かな (たんと)
 

*イエス・キリストの生誕の日には諸説あるようだが
その前夜(24日)をクリスマスイヴとして祝うのは
やはり一般的な通説と言わざるを得ない

『♪諸人(もろびと)こぞりて 迎えまつれ…♪』
たまに賛美歌を静かに聞くのも悪くはないか

2008年12月23日

■柚子風呂(842)


★柚子風呂の 柚子と遊びて 長湯かな (たんと)
 

*無病息災を祈る江戸時代からの風習にならって
冬至日の風呂にユズを浮かべて入浴した

芳ばしい香りが立ちのぼるなか
玉をニギニギしながら遊んでいると
つい長湯にもなってきたようだ

2008年12月22日

■朽葉(841)


★朽ちし葉の 永久の旅路や 地に還る (たんと)
 

*降り積もった落ち葉が
時が経るほどに腐り朽ち始めてきた

落ち葉の上を踏み歩く音の響きも
これまでのような乾いた高音ではない

大地へと永久の眠りに就く準備も整ってきたようだ

2008年12月21日

■かじけ猫(840)


★憂ひなど 何も無いらし かじけ猫 (たんと)

*公園の陽だまりで休んでいた猫チャンに出合った

後を追いかけてきたのでこちらも立ち止まると
相方も道のど真ん中で止まりゴロリと横たわった

日向ぼっこにも見えたし腹ぺこのようでもあるし
でもやはり寒さは堪えるだろうな

2008年12月20日

■白菜漬(839)


★塩梅は 勘に委ねて 白菜漬 (たんと)

*今冬3回目となる我が特製の白菜漬け

半日程度天日干しした白菜に塩少々を馴染ませ
コブ、鷹の爪、柚子を加え
重石を乗せるだけだから簡単この上ない

漬け込んで3日目頃から自慢の漬物が食べられる…

2008年12月19日

■蝋梅(838)


★蝋梅の 艶ある香り 蝋細工 (たんと)

*近くの公園で蝋梅の花が咲き始めた

葉に先立って光沢のある黄色い花が
まるで蝋細工のように輝く

例年に比べ早い開花のように思うが
香気の良さはさすがで相変わらずだ

2008年12月18日

■菊枯る(837)


★残り香の 微かあはれや 菊枯るる (たんと)

*畑の一角に植え込んでいた菊が
寒気に触れて
日に日にうらぶれて来た

手で摘まむと微かに残る香りが
哀れ深さを募らせる

2008年12月17日

■霜柱(836)


★霜柱 踏めばガラスの 割れし音 (たんと)
 

*朝の散歩道で霜柱を見つけた
15cmもある背丈の頭に薄い土を乗せているので
いかに地面を持ち上げているのかが分かる

足で踏み込むと乾いた心地よい音がした
それは遥か昔の少年の頃の音でもあった

2008年12月16日

■寄鍋(835)


★寄鍋の ふつふつとなり 謡ひ締め (たんと)

*今年の謡会も今日が最後の謡納めとなった

恒例により謡い終えると懇親の宴
賑やかな話題とともに夜は更けていく

豊かな具材の鍋に
四方から出てくる箸の動きもまたよろし

2008年12月15日

■鯛焼(834)


★行列の 出来る鯛焼 江戸神田 (たんと)
 

*謡曲の謡納め会で都心に出かけたついでに
年来の望みであった"鯛焼き"を手に入れた

店の前がいつも長蛇の列になっているのを
横目にするばかりであったが
なるほどのオアジを確認できてシアワセであった…♪

明治からの鯛焼き
『明治末期の1909年。この時代、鯛といえば高級魚の代名詞。縁起物の魚としても重宝さ
れていた鯛は庶民の手に届かぬ代物だったのです。

そこに「たい焼き」が生まれました。一つ作るのに一本のコテ(鋳物)を使い、あらかじめ
熱しておいたコテの片方に小麦粉、水、重曹からなるタネを流し、自家製の餡をのせる。

そして再度上からタネを流したのち、もう一方のコテで挟み込む。ガス火で炙ること数分で
皮は薄皮のパリパリに、餡子は火傷するほどアツアツのたい焼きが完成します。この伝統
こそが…』(当店作成のチラシから抜粋)

この"鯛焼き騒動"は↓ルプママさんブログ(08/12/03)で詳しくご覧になれます。

ルプママさん、ということでヨロシク…。私は新規オープンの上野店でなく、本家の神田店です~♪
http://lepurmama.shashin-haiku.jp/e44378.html#comments

2008年12月14日

■シクラメン(833)


★今年また 聖書久しや シクラメン (たんと)

*クリスマスの装飾花として
ポインセチアと並んで親しまれるシクラメン

クリスチャンならずともその気になりがちだが
狂騒曲に埋没されることなく
年に一度ぐらいは聖書を開いて見ようかと思う

2008年12月13日

■寒の雨(832)


★待ち人は 今日も来たらず 寒の雨 (たんと)

*冷たい雨が降り続くなかを歩く

散歩途中に立ち寄った小公園のベンチが
今日も寂しそうに見えた

座ってくれるべき待ち人は
昨日に続いて今日も現れないようだ

2008年12月12日

■ポインセチア(831)


★郷恋し 蒼き海見ゆ ポインセチア (たんと)

*クリスマスが近くなって
あちこちで見かけるようになったポインセチア

我が家でも御多分に漏れず飾ることに相成ったが
思い出されるのは
故郷の海岸に自生するポインセチアと蒼い海だ

*下右:日南海岸にて07年11月末撮影

2008年12月11日

■朝の霜(830)


★野の草の 凛と咲きゐて 今朝の霜 (たんと)

*良く晴れて寒の厳しい夜が明けた
早朝に畑の周辺を歩く

可憐な野草(仏の座)が
寒気を突き破って花を咲かせていた

健気な姿に元気をもらったような気分

2008年12月10日

■聖護院大根(829)■08・12月例句会 


★聖護院 分厚く切りて 烏賊煮かな (たんと)
 

*京野菜で知られる聖護院大根が
重量感よろしく収穫期を迎えた

ナマやサラダでも良いものだが
やはりこれは煮物向きといえそうで
良く滲み込んだブリ煮、厚揚げ煮、烏賊煮…が頭をよぎる

*************************
■句会 08.12月例会
■開催 08.12.9
■兼題 「神楽」「咳」「八手」 自由

[投句]
★ほしゃどんの 夜神楽舞ひて かっぽ酒・・・(入選)
★咳き込めば 他者(ひと)の視線の 集まりぬ・・・(入選)
★をさな児ら グーパーしてる 花八ツ手 
★湯豆腐の 熱きを吹きて 湯気煙る
★聖護院 分厚く切りて 烏賊煮かな ・・・(入選)

2008年12月09日

■千両(828)


★千両の 万両凌ぐ 狭庭かな (たんと)
 

*狭庭の千両と万両の赤い実を眺めていたら
ネーミングが気になってきた

銭の価値では確かに「万両」>「千両」ではあるが
実の価値でも果たしてそうだろうか

これって、個人的趣味の域を出ない戯言かなぁ

2008年12月08日

■竜の玉(827)


★掻き分けて 見つけし珠玉 竜の玉 (たんと) 



*庭の片隅に生い茂っている「竜の髭」に
今年も愛すべき実が生ってくれた

知る人ぞ知るの「竜の玉」
ひっそりと隠れたままで終わりそうで
どうしても日の目を当ててやりたい珠玉なのだ

2008年12月07日

■冬の夜(826)


★冬の夜の 闇に浮き出づ 光り舞台 (たんと)
 

*近くの公園にあるメタセコイア並木と噴水の
ライトアップが5日間限定で本7日まで行われている

紅葉時期に合わせての恒例行事だが
スポットライトを浴びた景観には素朴な美しさがある

明るさがやや弱めに感じるのはエコ対策のためであろうか

*↑写真左:点灯10分前、同右:点灯10分後

2008年12月06日

■ブロッコリー(825)


★温く温くと 胎児のやうに ブロッコリー (たんと)

*寒さが厳しくなって霜が降り始めたら
途端に大きくなってきたようなブロッコリー

大きな葉っぱにうずくまって
ぬくぬくしているのを切り採るのは忍びない気もするが
愛でたい"新生児の誕生"を喜ぶことにしよう

2008年12月05日

■枯木道(824)


★かさかさと 地の声聞こゆ 枯木道 (たんと)

*日を経るほどに
すっかり葉を落としてしまった枯木立の中を歩く

ひと気は少なく
時折行き交う人と吾が足音とが
心地よく響きあっていた

2008年12月04日

■木守柿(823)


★独りでは 寂しくないか 木守柿 (たんと)

*枝が撓むほどに生っていた柿が
スッカラカンに無くなってしまった

来年の実生りへの願いをこめて
一つだけ残すという風習に倣っているのだろうか
ちと寂しい光景ではある

2008年12月03日

■冬紅葉(822)


★茅葺の 門をくぐれば 冬紅葉 (たんと)

*苔むす山門を潜ると
まるで紅葉の観光名所でもあるかのように
ひときわ鮮やかな景色が広がってきた

近くの公園での安直な「残り紅葉見物」だが
冬の日差しをいっぱいに浴びた景は見事であった

2008年12月02日

■年忘(821)


★止め処なく 語り酌みたり 年忘 (たんと)

*かねてよりの懸案事項であった
写真俳句ブログ仲間Yさんとの顔合わせが実現した

以心伝心、語るほどに話が弾んでいくのは
故郷を同じくすることが大きく影響しているのであろう

11月尽での早めの年忘れ、今年最初の忘年会でもあった

2008年12月01日

■錦木紅葉(820)


★錦木の 宙に燃え出づ 紅葉かな (たんと)
 

*ニシキギが紅葉し始めて久しい

枝にコルク質の翼があるのも面白いし
鮮やかな朱色ぶりを見ていると
惚れ惚れした気分にもなってくる

オレンジ色の実が既になくなっていたのは残念至極