2009年05月31日
■卯の花腐し(1001) ■5月の作句一覧
卯の花を
腐してなほも
清清し
*このところの連日の雨で
庭に咲く梅花空木が腐ってしまうのではないかと
気になるところだが
その清清しさは一向に衰えることを知らない
「季語」の趣意が身につまされるところ
■平成21年5月の作句一覧
《平成21年5月》
No.971 (藤の花) 風に揺れ香りぷうんと藤の花 (090501)
No.972 (白山吹) 黒き実の早や待ち侘びて白山吹 (090502)
No.973 (白詰草) 郷の野の白詰草や誰ぞ摘まん (090503)
No.974 (囀り)囀りのひととき途絶へ鍬休む (090504)
No.975(蒲公英の絮)白透けて蒲公英の絮いざ往かむ (090505)
No.976 (ハンカチの花) 愛嬌のハンカチの花無表情 (090506)
No.977 (五月鯉) 山川を大きく吸ふて五月鯉 (090507)
No.978 (蕗) 傘踊る東京音頭蕗の畑 (090508)
No.979 (緑さす) 盆栽にいのち授かり緑さす (090509)
No.980 (松の芯)実直でへそ曲がり無し松の芯 (090510)
No.981 (姫女苑)君の名は春紫苑なの姫女苑 (090511)
No.982 (絹莢)絹莢の手のひら溢れ声笑むる (090512)
No.983 (春キャベツ)さ緑の大盛サラダ春キャベツ (090513)
No.984 (ラベンダー)どっぷりと芳香の海ラベンダー (090514)
No.985 (樟若葉) 畏くも花の噴き燃ゆ樟若葉 (090515)
No.986 (老鶯)老鶯と競ひて謡ふ箱根宿 (090516)
No.987 (万緑)万緑や箱根の山を深く吸ふ (090517)
No.988 (繍毯花) ぽんぽんとふんわりふわりてまりばな (090518)
No.989 (あやめ) 瀬に立てば色香弥増すあやめかな (090519)
No.990 (葱の擬宝) 床の間にお在す貴人や葱の擬宝 (090520)
No.991 (朴の花) 大海に大舟揺られ朴の花 (090521)
No.992 (桜の実) 実桜をもぎて渋面食ひしん坊 (090522)
No.993 (えごの花) 満天の星のやうなりえごの花 (090523)
No.994 (杏子) ほんのりと薄紅差してあんず笑む (090524)
No.995 (山法師) 山法師十字を切りてご念仏 (090525)
No.996 (緑さす) 甲高き児らの歓声緑さす (090526)
No.997 (梅雨入) 梅雨入の前のブラシや金鳳樹 (090527)
No.998 (馬鈴薯の花) 馬鈴薯の花の揺れをり農夫笑む (090528)
No.999 (若葉風) 若葉風篝火揺らしシテの舞ふ (090529)
No.1000 (南瓜の花) 早起きの南瓜の花の早寝かな (090530)
N0.1001 (卯の花腐し) 卯の花を腐してなほも清清し (090531)
《5月例句会・5月12日》
兼題 (茶摘) プロペラの回転忙し茶摘畑
兼題 (立夏) そよ風のカーテン揺れて今朝の夏
兼題(新樹)千の樹の漲るちから新樹かな
自由(五月鯉)大き口大きく吸ふて五月鯉
席題(筍)竹の子を剥けばかぐやのすつぽんぽん
2009年05月30日
■南瓜の花(1000)
早起きの
南瓜の花の
早寝かな
*南瓜の花は早起きだ
黄色いラッパは
朝早くから全開となり
陽が高くなるにつれて萎んでしまう
虫や蝶も忙しなく動き廻る
**マイ写真俳句は本日「1000句」に達しました。
「一日一句」を目標とするなか、とにもかくにもここまで続けて来たことは
一面で「1000日の連続投句」を成し遂げたことをも意味します。
「良くぞここまで」と我ながらびっくりしていますが、これも偏に皆さまとの交流が
励みになっていることも大きなお陰かと皆さまには深く感謝申し上げます。
2009年05月29日
■若葉風(999)
若葉風
篝火揺らし
シテの舞ふ
*5月27日、川崎大師特設舞台で開催された
「第36回川崎大師薪能」を鑑賞した
この薪能は毎年、観世宗家ほか3兄弟が揃って演能することで
多くの能楽ファンから親しまれている
火入れ式で灯された篝火が境内を吹く若葉風に揺れていた
2009年05月28日
■馬鈴薯の花(998)
馬鈴薯の
花の揺れをり
農夫笑む

*馬鈴薯の可愛い花が咲き出して久しい
折からの風にゆらゆら揺れる花を覗き込む
男爵、メイクウィーン、キタアカリ…
地中では「新ジャガ」の醸成も進んでいることだろう
ついニンマリしたくもなる畑仕事のひと時
2009年05月27日
■梅雨入(997)
梅雨入の
前のブラシや
金鳳樹
*試験管や壜などを洗うのに使うブラシとそっくり
珍しい風袋をした花もあるものだ
去年に付けた実は残ったままで
その先っぽに今年の花が咲くというのも珍しい
その名を「ブラシの木」、別名「金鳳樹(キンポウジュ)」と言うそうだ
2009年05月26日
■緑さす(996)
甲高き
児らの歓声
緑さす
*初夏の緑が眩しい公園で
園児らの甲高い声が響き渡る
はしゃぎ回る児らの動きと溌剌としたその声は
清新そのもの
若葉の緑そのものでもある
2009年05月25日
■山法師(995)
山法師
十字を切りて
ご念仏
*山法師の木が"白い花"で覆われている
まさかキリスト教徒の法師でもあるまいに
「十字を切る」かのような姿は見事で滑稽なもの
その白い苞片の中心に球状に密生している花が
秋に果実となるのも楽しみなことだ
2009年05月24日
■杏子(994)
ほんのりと
薄紅差して
あんず笑む
*春先の公園で淡紅色の可愛い花を咲かせたアンズ
花が終わって梅よりひと回り大きい実をつけていたが
その青い実も次第に赤みを帯びて来た
信州更埴市の「アンズの里」は有名だが
彼の地でも見事な赤黄色に熟していることであろう
2009年05月23日
■えごの花(993)
満天の
星のやうなり
えごの花
*提灯のような花が枝先にいっぱいぶら下がる
異様な光景にも映るが見事としか言いようが無い
別名を「山苣(やまじさ)の花」(傍題季語)といい
「山の幸の木」を意味するらしいので
幸いをもたらしてくれる木なのかも知れない
2009年05月22日
■桜の実(992)
実桜を
もぎて渋面
食ひしん坊
*桜の花のあとの小さな青い実は
次第に赤黒色に変わってきた
サクランボを思わせるので一見美味しそうだが
硬くて渋くて酸っぱくて食べられるものではない
背伸びして口にしたがるのは食いしん坊のせいなのだろう
2009年05月21日
■朴の花(991)
天界の
舟のたゆたふ
朴の花
*見上げるほどに高い木
薫る風に吹かれて大きな葉が揺れる
ほおば焼きでお馴染みの葉っぱだ
黄白色の花が大きな葉に抱かれるように揺れる
つい、拝みたくなるように豪華な花だ
2009年05月20日
■葱の擬宝(990)
床の間に
お在す貴人や
葱の擬宝
*畑に取り残された葱坊主の頭が
更に大きくなって風に揺れている
厄介者扱いされる坊主頭ではあるが
所を変えて部屋の床の間に飾ると
別人のような趣きが出てくるから面白い
2009年05月19日
■あやめ(989)
瀬に立てば
色香弥増す
あやめかな
*アヤメ、ハナショウブ、カキツバタ…
紛らわしい名前の花が賑わい出してきた
いずれも「アヤメ科」の植物なのでややこしいことだ
おまけにサトイモ科の「菖蒲」を「あやめ」と呼ぶとあっては
ますますこんがらがってくる
2009年05月18日
■繍毬花(988)
ぽんぽんと
ふんわりふわり
てまりばな
*手鞠花、別名を「おおでまり」とも言うらしい
アジサイのような球形になっているので
見間違いやすいが全くの別種なのだとか
風に揺れてフワフワしている様子は
まるで大きなボールが弾んでいるかのよう
(写真下右:09年4月中旬撮影)
2009年05月17日
■万緑(987)
万緑や
箱根の山を
深く吸ふ
*目に沁みるばかりに生い茂る緑
どちらを見ても見渡す限りの緑
そこには溢れんばかりの生命が
躍動感に満ちていた
深呼吸すると美味しい味であった
2009年05月16日
■老鶯(986)
老鶯と
競ひて謡ふ
箱根宿
*箱根で開催された謡曲会の研修旅行に参加した
新緑真っ只中の佇まいのなかで
謡曲の朗吟に調子を合わせるかのように
ウグイスの澄み切った鳴声が響き渡る
まるで「笛入りの素謡」を競演しているようであった
2009年05月15日
2009年05月14日
■ラベンダー(984)
どっぷりと
芳香の海
ラベンダー
*香りプンプンのラベンダー(フレンチラベンダー)が
マイ散歩コースを楽しませてくれる
"香りの女王"とも呼ばれるだけあって
その芳香は香水や線香の香りつけにも使われるらしい
群がる蜂の動きも忙しない
2009年05月13日
■春キャベツ(983) ■09・5月例句会
さ緑の
大盛サラダ
春キャベツ
*「葉の質が柔らかい」がウリの春キャベツ
別名、「甘藍(カンラン)」というのかも知れぬ
季語テキには「甘藍」=夏で「春キャベツ」=春
ということらしいが、まあ、それはそれ
若草色の千切りキャベツの味は格別だ
*************************
■句会 09.5月例会
■開催 09.5.12
■兼題 「茶摘」「立夏」「新樹」 自由
■席題 「筍」
[投句]
★プロペラの回転忙し茶摘畑
★そよ風のカーテン揺れて今朝の夏
★千の樹の漲るちから新樹かな
★大き口大きく吸ふて五月鯉
★筍を剥けばかぐやのすっぽんぽん
・・・入選句なし
2009年05月12日
■絹莢(982)
絹莢の
手のひら溢れ
声笑むる
*ほのかな甘味があり茹でて良し炒めて良しのキヌサヤ
サラダにしてのシャキシャキ感もまたよろしい
真夏のように日照る畑で
久しぶりにやって来た孫と触れ合う
いつもの畑仕事とは異なる笑い声の絶えぬのが良い
2009年05月11日
■姫女苑(981)
君の名は
春紫苑なの
姫女苑
*路傍など至るところで見かける野草
柔らかい毛に覆われた可愛い花だ
その名を「姫女苑」というらしいが
そっくりな花「春紫苑」との区別を認識するのは悩ましいこと
茎の中が空洞であるか否かの違いで判別出来るとのことだが…
2009年05月10日
■松の芯(980)
実直で
へそ曲がり無し
松の芯
*松の新芽のてっぺんに雌花が
その下に薄茶色の雄花が寄り集まっている
決して「美しい花」とは言えないように思うが
形を変えて作り出す「松ぼっくり」は
「色変えぬ松」の傑作品とは言えるだろう
2009年05月09日
■緑さす(979)
盆栽に
いのち授かり
緑さす
*若葉の緑に接すると
心が洗われるような気分になるものだ
我が小品盆栽でも
それなりの美しさがある
今年もまた新しい命が誕生してくれた
2009年05月08日
■蕗(978)
傘踊る
東京音頭
蕗の畑

*春先の葉っぱに先立って地上に顔を出す
花茎・フキノトウに代って
長い葉柄がぐんぐんと勢力を伸ばし始めた
テッペンの大きな葉は雨しのぎの傘のようで
神宮球場のヤクルトファンを連想させる…(でもないか)
2009年05月07日
■五月鯉(977)
山川を
大きく吸ふて
五月鯉
*恒例行事となった「泳げ鯉のぼり相模川」も
今年で22回目を迎えた
各家庭から寄贈された鯉のぼり約2000匹が
広い川幅を跨いで群遊する様は圧巻だ
逞しく立派に育てよ、子どもたち…(写真は08年5月撮影)
*追記(訂正)
「約1200匹」と書いた積りなのに
「約2000匹」とは何を血迷ったか。"過剰表現"をお許し下さい…♪
2009年05月06日
■ハンカチの花(976)
愛嬌の
ハンカチの花
無表情
*「ハンカチの花」なんて
面白い名前を持つ花もあるもので
歳時記にその名を見つけたのには二重の驚き
繁る緑葉の中から垂れ下がっている白いモノは
たしかにハンカチそのものだ
2009年05月05日
■蒲公英の絮(975)
白透けて
蒲公英の絮
いざ往かむ


*路傍のあちこちで見られる花
タネが風に乗って根付いたのであろうが
とにかく健康優良児そのものだ
何しろコンクリートの割れ目からも顔を出すのだから
さて、次はどちらへ旅立って行こうか
2009年05月04日
■囀り(974)
囀りの
ひととき途絶へ
鍬休む
*春、夏野菜の準備に何かと忙しい
老体?に鞭打ちながらの農作業も
決して楽なものではない
賑やかな鳥の囀りが一瞬途絶えると
鍬持つ手も休みたくなってくる
2009年05月03日
■白詰草(973)
郷の野の
白詰草や
誰ぞ摘まん

*通称クローバーとも呼ばれ
草遊びの対象としても親しまれている野草
写真は先月初め、わが郷にて撮影したもので
お蔵入りになっていたものだが
郷の野を思い出し陽の目を当てることにした
(追記)皆さん、クローバーへ特別な思いを持っておられるようですね。実は私も
例外ではなく、この花には郷愁をくすぐる何かが潜んでいるように感じています。
数年前に私は偶然、四葉のクロ-バーを探し当てこれまで胸の奥に大事に
しまいこんでいた(?)のですが、この際、ここに公開させて頂きますね…♪
2009年05月02日
■白山吹(972)
黒き実の
早や待ち侘びて
白山吹
*山吹といえば鮮やかな黄色い花が一般的だが
これにやや遅れて咲く白山吹もそろそろ見納め
黄、白色種の違いは花咲く前では外見上全く分からないが
花後に実を付ける、付けないでは大きな相違点がある
晩秋には黒ダイヤのような実を付ける白山吹は楽しみなこと

(写真下右:08年11月撮影)
2009年05月01日
■藤(971)
風に揺れ
香りぷうんと
藤の花
*房をなして咲きこぼれるフジの花
花の優美さは謂うまでもないことだが
香りの良さもまたバツグン
惜しむらくは花の命の短いこと
鮮やかさが直ぐに失せるようで残念だ

