2009年08月31日
■零余子飯(1093) ■8月の作句一覧
ほっくりと
野趣の溢れて
零余子飯
*ささやかな秋の味覚として
欠かすことの出来ないムカゴめし
独特な風味と素朴さ
むちっとした食感もまた
たまらなく良いものだ
ほっくりと野趣の溢れて零余子飯
■8月の作句一覧
《平成21年8月》
No.1063 (木下闇) 振り向けばひと気なき道木下闇 (090801)
No.1064 (胡瓜) 陽を浴びてメタボ胡瓜のごろ寝かな (090802)
No.1065 (青紫蘇) 青紫蘇をつまと呼ぶなよ無礼なり (090803)
No.1066 (トマト) 天睨む青きトマトの恨み節 (090804)
No.1067 (蚊遣火) 老農の腰に蚊遣火(かやりび)地の匂ひ (090805)
No.1068 (茄子) 煮て焼いて漬けて揚げたりけふも茄子 (090806)
No.1069 (オクラ) 食ふて良し花またよろしオクラかな (090807)
No.1070 (枝豆) 枝豆を茹でて「だれやめ」コップ酒 (090808)
No.1071 (夾竹桃) ヒロシマがまた来て暑き夾竹桃 (090809)
No.1072 (青葡萄)つるるんの赤子のほっぺ青葡萄 (090810)
No.1073 (夏休み)夢挑む少女の舞台夏休み (090811)
No.1074 (月下美人)夜の更けて月下美人の吐く妖気 (090812)
No.1075 (秋の蝉) 葬送の調べ聴くごと秋の蝉 (090813)
No.1076 (猫じゃらし) 犬群れてはしゃぎをりけり猫じゃらし (090814)
No.1077 (赤まんま) 祝膳に赤まんまを出すおままごと (090815)
No.1078 (芋の露) 芋の露一瀉千里に滑り落つ (090816)
No.1079 (藪枯らし) 藪枯らし畑の入り口塞ぎをり (090817)
No.1080 (色鳥) バレリーナ舞曲に乗りて色鳥来 (090818)
No.1081 (新涼) 新涼や草木の素肌野に匂ふ (090819)
No.1082 (おしろい) 夕暮れておしろいの香の艶めけり (090820)
No.1083 (屁糞葛) 愛しきは屁糞葛てふ小花なり (090821)
No.1084 (夏の果) 仰向きて駄々をこねをる夏の果 (090822)
No.1085 (律の風 ) 鍵盤の律の風吹く築地かな (090823)
No.1086 (水引) 水引の熨斗付け祝ふ築地寿司 (090824)
No.1087 (零余子) 蔓引けば零余子ぽろりと手に零れ (090825)
No.1088 (秋の蝉) 渾身の声の悲しや秋の蝉 (090826)
No.1089 (鶏頭) 鶏頭の首を傾げてコケコッコー (090827)
No.1090 (椎の実) 椎の実に遥かの記憶拾ひけり (090828)
No.1091 (葛の花) かくれんぼ待ち草臥れて葛の花 (090829)
No.1092 (彼岸花) あかあかと照らす此の岸彼岸花 (090830)
No.1093 (零余子飯) ほっくりと野趣の溢れて零余子飯 (090831)
《8月例句会・8月11日》
兼題 (旱) 生気消え息絶えしごと旱畑
兼題 (虫干) 虫干しの家紋なぞりて衣紋掛け
兼題 (終戦日) 沖縄のおらぶ御霊や終戦日・・・(入選)
自由 (月下美人) 夜の更けて月下美人の吐く妖気・・・(入選)
席題 (盆) 赤毛人炭坑節の盆フェスタ
2009年08月30日
■彼岸花(1092)
あかあかと
照らす此の岸
彼岸花
*彼岸花(曼珠沙華)が咲き出した
秋の彼岸の頃に開花することからの命名らしいので
時期的には早いように思う
「死人花」「幽霊花」の傍題季語から類推して
「彼の岸」の花が「此の岸」に咲いたのではないかと思えてきた
あかあかと照らす此の岸彼岸花
2009年08月29日
■葛の花(1091)
かくれんぼ
待ち草臥れて
葛の花
*なんと繁殖力旺盛な蔓であることよ
その密生する葉の腋から直立した花序を出し
下の方から順に紫紅色の花を咲かす
大きな葉に隠れているので見つけ難い
「誰か見つけてくれよ~」と呼んでいるかのよう
かくれんぼ待ち草臥れて葛の花
2009年08月28日
■椎の実(1090)
椎の実に
遥かの記憶
拾ひけり
*椎の実がかすかに色づいてきた
まもなく艶のある褐色になり
ポロポロと落果するのであろう
ドングリは拾って遊び食べるもの
遥か昔の少年たちが居たような
椎の実に遥かの記憶拾ひけり
2009年08月27日
■鶏頭(1089)
鶏頭の
首を傾げて
コケコッコー
*見れば見るほど
鶏のトサカにそっくり
英語名が「cocks-comb(鶏のとさか)」らしいので
どうやら国際的名称といえるのかも
コッコッコ~とニワトリが歩いていた
鶏頭の首を傾げてコケコッコー
2009年08月26日
■秋の蝉(1088)
渾身の
声の悲しや
秋の蝉
*あれだけ五月蝿く喚いていた鳴声が
めっきり少なくなった
ヒンヤリとした風がふ~っと吹く
夏の終わりを感じる瞬間である
必死に啼き納めをしている蝉が不憫だ
渾身の声の悲しや秋の蝉
2009年08月25日
■零余子(1087)
蔓引けば
零余子ぽろりと
手に零れ
*我が菜園のムカゴが次第に大きくなってきた
ヤマイモの蔓に数珠のように繋がるムカゴは
ツルに少し触れただけでポロポロ落ちるので
ヤッカイなこと限りない
素朴な味のむかご飯を食いたくなった
蔓引けば零余子(むかご)ぽろりと手に零れ
2009年08月24日
■水引(1086)
水引の
熨斗付け祝ふ
築地寿司

*ピアノコンペティション会場を出て
夕闇迫る築地市場付近を歩く
夕食は何にしようか
ここまできたらいわずもがなの寿司であろう
マグロ好きの孫と爺の表情がほころんだ
水引の熨斗付け祝ふ築地寿司
2009年08月23日
■律の風(1085)
鍵盤の
律の風吹く
築地かな
*孫が出場したピアノコンペティションの
全国決勝大会が東京築地の浜離宮朝日ホールで開催された
北は北海道、南は沖縄の全国から集った精鋭による競演は
いずれも素晴らしい出来栄えで驚きの連続
当人の出番ではハラハラドキドキさせられるものだが
鍵盤の律の風 (りちのかぜ)吹く築地かな
2009年08月22日
■夏の果(1084)
仰向きて
駄々をこねをる
夏の果
*散歩道で蝉が仰向けになっているのに出会い
家に帰るとバタついている蝉が玄関先に居た
手足をしきりに動かして何かを訴えているかのよう
蝉の短いいのちが今果てようとしているが
如何ともしがたい夏の終わりだ
仰向きて駄々をこねをる夏の果
2009年08月21日
■屁糞葛(1083)
愛しきは
屁糞葛てふ
小花なり
*その名を"ヘクソカズラ"という
悪臭を放つからとの命名らしいが
そこまで云わなくてもと思う
たいした匂いでもないのに
これじゃカワユイ花が可哀想というもの
愛(いと)しきは屁糞葛てふ小花なり
愛(いと)しきは屁糞てふ名の花葛 (推敲)
2009年08月20日
■おしろい(1082)
夕暮れて
おしろいの香の
艶めけり


*日中には萎んでいたオシロイバナであるが
夕暮れになるにつれて再び開花する
英語での「フォーオクロック(四時)」とか
和名の「夕化粧」の呼び名がぴったり
黒いタネから出る胚乳でお化粧なんて風流なこと
夕暮れておしろいの香の艶めけり
2009年08月19日
■新涼(1081)
新涼や
草木の素肌
野に匂ふ
*今年のお盆も終わった
朝晩に涼しさを感じるようになり
頬に触れる風も
心地よく吹き抜ける
一抹の寂しさを覚える風でもある
新涼や草木の素肌野に匂ふ
2009年08月18日
■色鳥(1080)
バレリーナ
舞曲に乗りて
色鳥来
*クラシックバレエの練習成果を発表する
バレエスクール生徒さんたちの発表会
年一回の開催とあれば
親子ともども熱が入るもの
孫の晴れ舞台を見守る爺婆の姿も多く見られた
バレリーナ舞曲に乗りて色鳥来
2009年08月17日
■藪枯らし(1079)
藪枯らし
畑の入り口
塞ぎをり
*なんと繁殖力旺盛な蔓であることか
これが絡まりつくと「藪を枯らす」のだとか
言い得て妙のネーミングだ
別名の「貧乏葛(びんぼうかずら)」というのは
どういうことだ
藪枯らし畑の入り口塞ぎをり
2009年08月16日
■芋の露(1078)
芋の露
一瀉千里に
滑り落つ
*トマトの朝捥ぎに畑に出る
サトイモの葉に溜まった露が光っている
葉を掻き分けて進むと
銀色の大きな「露の玉」が
ころころと勢い良く転げ落ちた
芋の露一瀉千里に滑り落つ
**返事が遅れますことご容赦下さい。
2009年08月15日
■赤まんま(1077)
祝膳に
赤まんま出す
おままごと


*すっくと伸びた花穂に
小さな紅色花をびっしり付ける
この粒々の花をしごき取って
赤まんま(赤飯)に見立てるのだという
なるほどのお遊びといえるか…
祝膳に赤まんま出すおままごと
**明日の夜まで留守にしますので返事が遅れます。ご容赦下さい。
2009年08月14日
■猫じゃらし(1076)
犬群れて
はしゃぎをりけり
猫じゃらし
*子犬の尻尾そっくりの「猫じゃらし」
この穂で猫をじゃれさせて遊ぶらしいが
試したことは無い
別名の「えのころ草、犬子草」ともども
愛嬌ある名前だと思う
犬群れてはしゃぎをりけり猫じゃらし
2009年08月13日
■秋の蝉(1075)
葬送の
調べ聴くごと
秋の蝉
*オス蝉があらん限りの声でメスを呼んでいる
精一杯に生きる「地上7日」の短い命は
間もなく果てようとしている
それは葬送曲を奏でているような寂しさ
いや、歓喜の歌というべきか
葬送の調べ聴くごと秋の蝉
2009年08月12日
■月下美人(1074) ■09・8月例句会
夜の更けて
月下美人の
吐く妖気

*周りが寝静まった夏の夜
純白大輪の花が
芳香を撒き散らし
妖気を漂わせながら
静かに咲く
夜の更けて月下美人の吐く妖気
*************************
■句会 09.8月例会
■開催 09.8.11
■兼題 「旱」「虫干」「終戦日」 自由
■席題 「盆」
[投句]
★生気消え息絶えしごと旱畑
★虫干の家紋なぞりて衣紋掛け
★沖縄のおらぶ御霊や敗戦忌・・・(入選)
★夜の更けて月下美人の吐く妖気・・・(入選)
★赤毛人炭坑節の盆フェスタ
2009年08月11日
■夏休み(1073)
夢挑む
少女の舞台
夏休み
*お盆が近づいてきた
子供たちの夏休みも佳境に入り
力試しの場に挑戦する姿も見られる
孫の出るピアノコンクールに
やけにドキドキする爺と婆がいた
夢挑む少女の舞台夏休み
2009年08月10日
■青葡萄(1072)
つるるんの
赤子のほっぺ
青葡萄

*熟す前の青い葡萄
房の形状もまだ未熟で
粒のかたちがいかにも初々しい
手で少し触れると
赤ん坊のほっぺのように弾けた
つるるんの赤子のほっぺ青葡萄
2009年08月09日
■夾竹桃(1071)
ヒロシマが
また来て暑き
夾竹桃
*盛夏の花キョウチクトウ
暑苦しさを覚える花
64年前の
ヒロシマ、ナガサキでも
暑く咲いていたに違いない
ヒロシマがまた来て暑き夾竹桃
2009年08月08日
■枝豆(1070)
枝豆を
茹でて「だれやめ」
コップ酒
*未熟な青い大豆を引き抜き
莢ごと塩茹でする
風呂上りの晩酌の冷えたビールには
欠かせない存在
明日への活力源でもあるのかな…!?
**「だれやめ」:南九州地方での方言で「晩酌」のこと。
「だれ(疲れ)」を「やめ(止め)る」ことを意味する。
枝豆を茹でて「だれやめ」コップ酒
***7回の夏野菜シリーズはこれにて「止め」にします。
2009年08月07日
■オクラ(1069)
食ふて良し
花またよろし
オクラかな
*野菜の花の中でも
有数の美を誇るオクラの花は
芙蓉にも似た美しさ
開花後は数日で収穫の適期となる
梅肉との和え物が好きだ
食ふて良し花またよろしオクラかな
2009年08月06日
■茄子(1068)
煮て焼いて
漬けて揚げたり
けふも茄子
*夏野菜として馴染みのナス
次から次へと実らせる多産?には驚かされる
栄養的にはさほどのものはなさそうで
連日の食卓には飽きっぽくもなるというもの
されど、糠漬けには欠かせない逸物ではある
煮て焼いて漬けて揚げたりけふも茄子
2009年08月05日
■蚊遣火(1067)
老農の
腰に蚊遣火
地の匂ひ
*畑の草は梅雨時から盛夏にかけて
遠慮会釈なしに勢いを増してくる
草取りは待ったなしの作業
夏野菜の養生、秋野菜の準備のためにも
老体に鞭打つことにしよう
老農の腰に蚊遣火(かやりび)地の匂ひ
2009年08月04日
■トマト(1066)
天睨む
青きトマトの
恨み節
*このところの天候不順に
畑の夏野菜が戸惑っているようだ
トマトが真っ赤に完熟するには
真っ赤な太陽がどうしても必要で
日照りを待ち侘びる青トマトの姿が健気に見えた
天睨む青きトマトの恨み節
2009年08月03日
■青紫蘇(1065)
青紫蘇を
つまと呼ぶなよ
無礼なり
*爽やかな香りを発散する青ジソ
刺身のツマや麺類などの薬味として
また夏料理などの添え物としても欠かせない逸品だ
仮にこの食材なかりせばどうなるか
脇役なんかでなくて堂々たる主役ではないのか知らん
青紫蘇をつまと呼ぶなよ無礼なり
2009年08月02日
■胡瓜(1064)
陽を浴びて
メタボ胡瓜の
ごろ寝かな
*キュウリ、カボチャが鳥に食われる…
トマトやトウモロコシの鳥害は例年のことであるが
まさか、胡瓜までもがやられるとは思いもよらぬこと
畑に投網ばりのネットを掛けてどうにか収まったが
収穫を怠ると直ぐジャンボ胡瓜に化してしまう
陽を浴びてメタボ胡瓜のごろ寝かな
2009年08月01日
■木下闇(1063)
振り向けば
ひと気なき道
木下闇
*陽光眩しい中を歩く散歩の途中
鬱蒼と茂った木立の中に入る
周りが急に暗くなったように感じられる
歩いてきた後ろを振り向くと
誰も居ない一本道に何か不気味さみたいなものを感じた
振り向けばひと気なき道木下闇

