2009年10月31日

■莢蒾の実(1154) ■10月の作句一覧

がまずみの
みなぎる血塊
野に満てり


*初夏の頃に白い花をいっぱい咲かせた後
群がるように密集させていた小粒の実は
今、見違えるような朱色に変身した
口にすると酸っぱい味が広がる
さらさらの血が醸成されるような気がする


がまずみのみなぎる血塊野に満てり

平成21年10月の作句一覧

《平成21年10月》      
No.1124 (白玉) 白玉を食ぶる幸せ酔ひしごと (091001)
No.1125 (椿の実) 艶やかに実椿弾け庭暮るる (091002)
No.1126 (カンナ) 早起きの空気は美味しカンナ咲く (091003)
No.1127 (曝書)曝書して亡父(ちち)に聞きたき明治かな (091004)
No.1128 (紙魚)紙魚(しみ)あるをめくる危うさ古謡本 (091005)
No.1129 (高西風) 高西風(たかにし)に乗りて故郷遠くなり (091006)
No.1130 (秋日射) 秋日射先祖を守る六地蔵 (091007)
No.1131 (秋の声) 本堂の梵鐘鳴るや秋の声 (091008)
No.1132 (仏桑花) ふるさとは常夏なれば仏桑花 (091009)
No.1133  (稲)海原の波濤のごとし稲熟るる (091010)
No.1134 (秋霖)秋霖や相合傘の二人連れ (091011)
No.1135 (秋日和)先達の憂ひ晴らして秋日和 (091012)
No.1136 (金柑)一本の裏の金柑少年期 (091013)
No.1137 (鯊舟)鯊舟の逸る心は夕餉膳 (091014)
No.1138 (石榴) 実石榴の割るるを待てず触れて見る (091015)
No.1139 (秋の朝)さて今日はいづこへ翔ばむ秋の朝 (091016)
No.1140 (栴檀)栴檀は黄坊主なるべし修行中 (091017)
No.1141 (秋曇)雲海に霊峰ぽかり秋曇り (091018)
No.1142 (杜鵑草) 晴れやかにしぼり染め着て杜鵑草 (091019)
No.1143 (運動会) カメラ追ふ忙しき爺の運動会 (091020)
No.1144 (木犀) 木犀に腹膨れたり深呼吸 (091021)
No.1145 (泡立草) 泡立草荒地の見張りしてをりぬ (091022)
No.1146 (初紅葉) 踏み分けて入りたくなりぬ初紅葉 (091023)
No.1147 (葡萄) 種無しや出自を種に葡萄食ぶ (091024)
No.1148  (紫苑) ひっそりと母の亡霊紫苑咲く (091025)
No.1149  (紅葉づ) 紅葉(もみ)づれば底を打ちたり赤絵の具 (091026)
No.1150  (朴散る) 朴散れば空は明るき広さかな (091027)
No.1151 (藍の花) 伊達男染めを着流し藍の花 (091028)
No.1152 (秋の蝶) 息潜め身じろぎもせず秋の蝶 (091029)
No.1153 (山茶花) 山茶花の新妻のごと恥じらひて (091030)
No.1154  (莢蒾の実)がまずみのみなぎる血塊野に満てり (091031)


《10月例句会・10月13日》・郵送参加
兼題 (燈火親し) 灯火親し書棚の横を縦にする
兼題 (霧) 霧山中尾灯頼りのドライブ行
兼題 (蓑虫) 蓑虫の地震への備へ揺るぎ無し・・・(入選)
自由 (秋櫻)人去りて後ろ振り向く秋櫻

2009年10月30日

■山茶花(1153)

山茶花の
新妻のごと
恥らひて


*山茶花が咲き始めた
立冬まで後10日程となったが
季語的には既に「冬」に入っているよう
気品のある清楚さ
咲き始めの初々しさがたまらなく良い


山茶花の新妻のごと恥らひて

2009年10月29日

■秋蝶(1152)

息潜め
身じろぎもせず
秋の蝶


*朝晩の冷え込みが進み
わが菜園でも秋の深まりを実感する
サトイモの大きな葉裏に
隠れるようにじ~っとしていた一匹の蝶
寒さを凌いでいたのであろう


息潜め身じろぎもせず秋の蝶

2009年10月28日

■藍の花(1151)

伊達男
染めを着流し
藍の花


*藍の花、別名は蓼藍(たであい)の花
可愛い花だが花より葉が重用されるのは
葉を発酵させて藍染の染料とするため
『青は藍より出でて藍より青し』という
藍染めの着流し姿が目に浮かぶ


伊達男染めを着流し藍の花

2009年10月27日

■朴散る(1150)

朴散れば
空は明るき
広さかな


*大きな葉に隠れるようにしていた
手榴弾みたいな朴の実が熟れ落ち
残っていた葉っぱも枯れ落ち始めた
頭上を見上げると
これまで見られなかった空がくっきりと見えた


朴散れば空は明るき広さかな

2009年10月26日

■紅葉づ(1149)

紅葉(もみ)づれば
底を打ちたり
赤絵の具


*めっきり涼しくなり
野や山の風景に
朱色が目立ってきた
「もみづる」対象物が次第に多くなると
絵の具の赤が不足してこないだろうか


紅葉(もみ)づれば底を打ちたり赤絵の具

2009年10月25日

■紫苑(1148)

ひっそりと
母の亡霊
紫苑咲く


*小菊のような花が群れ咲く
少々の風が吹いても
びくともしない
控えめでひっそりと
亡母の面影が浮かぶ


ひっそりと母の亡霊紫苑咲く

2009年10月24日

■葡萄(1147)

種無しや
出自を種に
葡萄食ぶ


*大きな巨峰ブドウを頂いた
薄い皮を剥いて
種無しの肉厚をとろりと食べる
話の種はタネ無し苗木の育て方
美味しい葡萄であった

種無しや出自を種に葡萄食ぶ

2009年10月23日

■初紅葉(1146)

踏み分けて
入りたくなりぬ
初紅葉


*次第に赤みを帯びてきた箒草
一面がピンクに覆われて
分厚いふわふわの綿菓子のよう
刈り取って箒の材料にしたり
実は「とんぶり」として食すとか


踏み分けて入りたくなりぬ初紅葉

2009年10月22日

■泡立草(1145)

泡立草
荒地の見張り
してをりぬ


*一般的には好まれない花とされるが
「秋の麒麟草」との別名にぴったりで
よくよく見ると愛すべき花といえる
日当たりの良い荒地に群生し
"花粉症"の悪役犯人でもあるが


泡立草荒地の見張りしてをりぬ

2009年10月21日

■木犀(1144)

木犀に
腹膨れたり
深呼吸


*何処からともなく漂ってくる
キンモクセイの強い香り
思いっきり吸い込むと
お腹の満足感とともに秋の深まりを感じる
独特の香りに気分悪くなったとの笑えない話もあるが♪


木犀に腹膨れたり深呼吸

2009年10月20日

■運動会(1143)

カメラ追ふ
忙しき爺の
運動会


*孫の幼稚園最終年となる運動会
爺の句会定例日と重なってしまったが
孫追うカメラの楽しさに惹かれ
迷うことなく足を運んだのは運動会
これでは俳句の上達など覚束ないな


カメラ追ふ忙しき爺の運動会

2009年10月19日

■杜鵑草(1142)

晴れやかに
しぼり染め着て
杜鵑草


*小さな百合の花のようなホトトギス
ユリ科である所以であろう
特徴は紅紫色の斑点を持っていること
鳥のホトトギスの胸毛にそっくりだとか
染物の「しぼり染め」の喩えも至言なり


晴れやかにしぼり染め着て杜鵑草

2009年10月18日

■秋曇(1141)

雲海に
霊峰ぽかり
秋曇り


*宮崎→羽田の機窓から眺める富士山の頂(10月上旬)
**今回の「ふるさと編」(25回シリーズ)はこれにて終わります


雲海に霊峰ぽかり秋曇り

2009年10月17日

■栴檀の実(1140)

栴檀は
黄坊主なるべし
修行中


*ふるさとにて(9月下旬、下写真は07年12月上旬)


栴檀は黄坊主なるべし修行中

2009年10月16日

■秋の朝(1139) ■09・10月例句会

さて今日は
いづこへ翔ばむ
秋の朝


*ふるさとにて(9月下旬)


さて今日はいづこへ翔ばむ秋の朝

************************
■句会 09.10月例会
■開催 09.10.13(郵送参加)
■兼題 「灯火親し」「霧」「蓑虫」 自由


[投句]
★灯火親し書棚の横を縦にする
★霧山中尾灯頼りのドライブ行
★蓑虫の地震への備へ揺るぎ無し・・・(入選)
★人去りて後ろ振り向く秋櫻

2009年10月15日

■石榴(1138)

実石榴の
割るるを待てず
触れて見る


*ふるさとにて(9月下旬)


実石榴の割るるを待てず触れて見る

2009年10月14日

■鯊舟(1137)

鯊舟の
逸る心は
夕餉膳


*ふるさとにて(9月下旬)


鯊舟の逸る心は夕餉膳

2009年10月13日

■金柑(1136)

一本の
裏の金柑
少年期


*ふるさとにて(9月下旬)


一本の裏の金柑少年期

2009年10月12日

■秋日和(1135)

先達の
憂ひ晴らして
秋日和


*写真上:小村寿太郎(明治の外交官でロシアとのポーツマス条約を調印・宮崎飫肥出身)
  写真下:石井十次(わが国初の孤児院を創設し"児童福祉の父"と呼ばれる・宮崎高鍋出身)
(ふるさと・宮崎県文化総合公園にて、10月上旬)


先達の憂ひ晴らして秋日和

2009年10月11日

■秋霖(1134)

秋霖や
相合傘の
二人連れ


*ふるさとにて(10月上旬)


秋霖や相合傘の二人連れ

2009年10月10日

■稲(1133)

海原の
波濤のごとし
稲熟るる


*ふるさとにて(9月下旬)


海原の波濤のごとし稲熟るる

2009年10月09日

■仏桑花(1132)

ふるさとは
常夏なれば
仏桑花


*ふるさとにて(10月上旬)


ふるさとは常夏なれば仏桑花

2009年10月08日

■秋の声(1131)

本堂の
梵鐘鳴るや
秋の声


*ふるさとにて(9月下旬)


本堂の梵鐘鳴るや秋の声

2009年10月07日

■秋日射(1130)

秋日射
先祖を守る
六地蔵


*ふるさとにて(9月下旬)


秋日射先祖を守る六地蔵

2009年10月06日

■高西風(1129)

高西風(たかにし)
乗りて故郷
遠くなり


*故郷を離れ再び元の生活に戻りました。留守中は何かとご無礼を
致しまして申し訳ありません。しばらくは慣らし運転の状態が続くかと
思われますのでご了解のほどお願いいたします。


**郷で撮り溜めた句材が若干ありますので、しばらくの間は
「ふるさと編」を続けます。


高西風(たかにし)に乗りて故郷遠くなり

2009年10月05日

■紙魚(1128)

紙魚(しみ)あるを
めくる危うさ
古謡本


*紙魚=夏の季語
**頂きましたコメントへの対応などご無礼しております。


紙魚(しみ)あるをめくる危うさ古謡本

2009年10月04日

■曝書(1127)

曝書して
亡父(ちち)に聞きたき
明治かな


*曝書=夏の季語
**頂きましたコメントへの対応などご無礼しております。


曝書して亡父(ちち)に聞きたき明治かな

2009年10月03日

■カンナ(1126)

早起きの
空気は美味し
カンナ咲く


*頂きましたコメントへの対応などご無礼しております。


早起きの空気は美味しカンナ咲く

2009年10月02日

■椿の実(1125)

艶やかに
実椿弾け
庭暮るる


*頂きましたコメントへの対応などご無礼しております。


艶やかに実椿弾け庭暮るる

2009年10月01日

■白玉(1124)

白玉に
餡蜜とろり
福来たる


*ヒコさんとのオフ会(090927@宮崎神宮前・蒸気屋)にて
**「白玉」「餡蜜」=いずれも夏の季語(重ね季語ってこと…♪)
***頂きましたコメントへの対応などご無礼しております。


白玉に餡蜜とろり福来たる