2010年08月30日

鹿:ひらり

ありがとうございます♪(敬称略させていただいています)
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深山には妻恋う鹿の声ばかり   よし
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鹿の群れ足跡ひとつ獣道  ひらり

しかのむれあしあとひとつけものみち

鹿
牡鹿 牝鹿 小牡鹿 鹿の声 鹿笛


晩秋の交尾期になると
雄鹿は盛んに鳴いて
他の雄に挑戦し
雌の気を引こうとする。
その鳴き声は近くで聞くとしわがれた唸り声であるが
遠くで聞くと哀れを催す寂しい声である。

-合本 俳句歳時記 第三版 角川書店編より-
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山梨ということだけで、まったく予想もせずに出かけた八ヶ岳。
そこには、憧れの<清里>の文字が・・・。

「清里って書いてありましたが・・・」
「ええ、10分も走れば行けますよ。」
「じゃぁ、帰りに寄ってみます♪ 清里を見て、温泉に入って、蕎麦を食べて帰ります♪」
「いえ、案内しますよ!大阪ではお世話になりっぱなしだったですから。」
「わぁ~!ラッキー!」

予習もなしに、土地勘のないところで美味しい蕎麦や、いい温泉を見つけるのは至難の業だ。
お施主さまのお家とキッチンをせんどフォーカスした後、厚かましくもアシストの畠中さんの後をつけて、目的地に向かった。


大きな陸橋を越えたあたりで車がわき道に止まった。
外へ出てみると、畠山さんの指差す先に鹿の群れが。

牧草を作っている広場のずっと先に、まだ獣道からつぎつぎ現れる一個団体の野生の鹿が悠々と遊んでいる。
「あ、また出てきた!」
「あれで雄が一匹で作る一家族です。」
どこからとなく、次から次へと現れて、総勢20数頭は居るだろうか。

「あれだけいても鹿の足跡は少ないのですよ。同じ足跡の上を上手に歩くのですよ。」
獣道の足跡を見てもそのグループの大きさはわからないという。
運悪く、車とこの野生鹿が体当たりしても車が大破するだけで鹿にはダメージがないらしい。
奈良の飼われた鹿たちとは大違い。野生の鹿は逞しいのだ。

(・・・つづく)

鹿の群れ足跡ひとつ獣道
しかのむれあしあとひとつけものみち
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2010年08月18日

秋蝶:ひらり

ありがとうございます♪(敬称略させていただいています)
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生くるとは辛くはないか秋の蝉   よし

地蔵会の菓子を貰うて子と帰る   よし

かうしては居れぬとばかり秋の蝶   玉宗

泥水を吸うて極彩大揚羽   幢舟
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秋蝶の群れひらひらと深山かな  ひらり

あきちょうのむれひらひらとみやまかな

秋の蝶
秋蝶


八・九月のころには
盛んに飛び回っていた蝶も
晩秋になるとめっきり数も減り、
姿も弱々しく
飛び方にも力がない。
→蝶(春)・夏の蝶(夏)・冬の蝶(冬)

-合本 俳句歳時記 第三版 角川書店編より-
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先の八月九日。七月の終りに搬入したキッチンの写真を撮りたくて、東京は新宿から中央道を抜け山梨へと向かった。中央道に入ってすぐにエアコンを切って窓を開けて走っていたが、台風の影響か、パラパラと降るでもない雨が時折フロントガラスを打つ。

ナビの先導どおりに高速を下りて走ると
「あれ?清里!わッ!八ヶ岳!八ヶ岳美術館ソサエティ20分やて!」
八ヶ岳美術館ソサエティは、母が気に入って何度も訪れた場所だ。

『しまった!先に調べておけばよかった・・・あぁ~・・・』
分かっていればここで一泊にしたものを!このときばかりは本当に後悔する。しまった、しまった。

途中道に迷い、ルプのキッチンを推薦してくださった知人、有限会社アシストの畠中さんと携帯電話で待ち合わせをしてお施主さまの家まで案内してもらったが、鬱蒼とした林がぽんと開けた山の中にその家はどっかりと腰を下ろしていた。

車から出たとたん、私は湿った土でぬるぬるとした足元もなんのその、ひらひらと舞う黒い物体に近づき、夢中でシャッターを押す。帰ってNETで調べると<ミヤマカラスアゲハ>、こうして団体で水を飲みに来るのは♂蝶らしい。

「水を飲みに来てるんですね。このあたりには多い蝶ですよ。」
畠中さんは、珍しくもないふうにさらりと言われたが、こんなに大きくてきれいな蝶は未だ見たことがなく、しかも、夢中で湧き出る水を吸っているのか、ほん近くまで行っても怖がる様子もなく、二、三匹が飛び交っては地に着き水を吸うの繰り返し。

「こんにちは!遠いところをようこそ!」
ひとしきり撮り終えると、お施主さまの登場!


「きれいな蝶がいるので夢中になって撮りましたよ!」
「あら!黒い蝶!私、黒蝶が大好き!なんです!」
黒い蝶が大好きと言ったお施主さまもここでは初めて見たそうで、携帯電話のカメラで夢中になって激写!

気が付くと、陽が落ち始めた深山は半袖一枚の身体には寒いくらいだった。(・・・つづく)

秋蝶の群れひらひらと深山かな
あきちょうのむれひらひらとみやまかな
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2010年08月18日

檸檬:ひらり

ありがとうございます♪(敬称略させていただいています)
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暑がりは母の遺伝よレモン切る   湘次

レモン水いがぐり頭の吾にして   よし

憧れは檸檬の文字が書ける人   あかね

思い出は青い檸檬のままの君   鎌ちゃん
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重たげな檸檬色づくを心待つ  ひらり

おもたげなれもんいろづくをこころまつ

檸檬
レモン


ミカン科の常緑高木。
芽や花は薄色を帯びる
秋に楕円形の果実を結び黄熟する。
果汁は多く
香り高く酸味が強い。
料理の風味づけに用いたりジュースにする。

-合本 俳句歳時記 第三版 角川書店編より-
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『暑いと口にすまい!』
と決心して始めた一日だが、一時間もたたぬ内に
「暑い!」と不意に口にし苦笑した・・・まだ薄赤くなり始めた朝のこと。

寝苦しいのも手伝って目が覚め、ひとしきりベランダの植物たちに葉水を与えて部屋に戻ると、ぐっしょりと汗ばんだ身体を少しぬるい目のお湯でシャワーする。その間はすっきり、さっぱり気持ちよいのだが、バスタオルを使っている間に、すでに頭から、額から顔中汗だらけ。
鏡に映る己の姿にほとほと嫌気がさす。

『もう!嫌ッ!そういえば、母もこんな顔をしていたな・・・』
1月生まれで冬が大好きという母は、毎年、夏になるとまるで鬼のような形相に変わる。
その母にそっくりな顔が鏡の中にあった。

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「あんたも年とったなぁ~・・・」
墓参りの車の中、まじまじと私の顔を見つめて母が言う。
「そやんか!昨日も鏡見てイヤになったんやから!」

「???」
訝しげな顔の母をそっちのけで話を続ける私。
「陽子(妹)はお母ちゃん似やけど、私は違うと信じてたんや!ずっとね。そやけど鏡を見たら、鬼みたいなお母ちゃんが居てんねんもん!ビックリするで!こんなにそっくりになるとは!」

「すんまへんなぁ・・・あんたはおばちゃん似やけどな・・・」
鬼と言われたのが気に障ったのかそれから母の声が途絶えた。

「早よ、涼しなったらええなぁ~」
「ほんまやなぁ~」
何時たったろう・・・やっと相槌を打ってきた。
やっぱり、夏はニガテなようだ。

重たげな檸檬色づくを心待つ
おもたげなれもんいろづくをこころまつ
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2010年08月07日

青田波:ひらり

ありがとうございます♪(敬称略させていただいています)
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何なくも苦労の甲斐の出穂期   よし

超早稲の色づく里や華越前   鎌ちゃん
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伊吹山奔放自在青田波   ひらり

いぶきやまほんぽうじざいあおたなみ

青田
青田風 青田波 青田道


植田が青一色になるころには
土用の日差しも強く
鮮やかになる。
その青田に入って
田草を取る人たちの姿も見られる。
青田風が吹き渡ると稲が揺れ
見るからに爽快である。

-合本 俳句歳時記 第三版 角川書店編より-
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滋賀県は長浜まで施工に出かけた。


お施主さまの家から見える外の景色は、伊吹山からの風で青田の穂が繰り返し繰り返し波のように騒ぎ、その風が心地よかった。


帰り道、ナビの不案内で高速に乗るはずが、地道を通らされたのだが、このあたりは、米の原と書いて米原(まいばら)、近畿の米どころだ。まっすぐに続く一本道の先には地平線が見える。


どこまでもただ一本の青田道

車を止めてもらって青田を撮ろうと畦道に入ったら、なんと!稲の花!あまりに途切れぬ風を受けてちっともピントが合わなくて・・・それにしても、よほど受粉がうまくいったのか、ぷっくらと大きく膨らんでいるさまは、素人ながらにきっと美味しいお米ができるのだろうと期待がつのった。

豊作の予感ありしや稲の花

それにしても・・・漢字ばかりでも俳句なのかな???

伊吹山奔放自在青田波
いぶきやまほんぽうじざいあおたなみ
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横浜→新宿OZONE→山梨
今夜より遠征に出ます・・・コメントレス遅れますがお許しを!

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2010年08月04日

芋の葉:ひらり

ありがとうございます♪(敬称略させていただいています)
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土より生まれ土に帰れよ蝉骸   鮎太

朝早にどこまで歩くかたつぶり   よし

もう言わぬと決めても残暑の恨めしや   よし

芋の葉も赤子包めるほどとなり   玉宗

芋の露そのときまでの暇つぶし   ひよどり
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芋の葉に包む屍捨てきれず   ひらり

いものはにつつむしかばねすてきれず

芋の葉
秋の季語(ネット調ベ)

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「今ね、獅子ちゃんの供養に句を詠んでるの」
よしさまの話に
「じゃぁ、私も5分で作るから!」
なんて・・・小田急沿線会からの電話で言っちゃった。

アテはあったのです。
昼間にベランダにひっくり返っていた蝉とカナブンの屍骸。
なんかね、小さな命の儚さがいとおしくて・・・芋の葉の上に寝かせて供養していたのです。

けれど、色紙に書いてもらうには屍骸だとか屍だとか直接的すぎて・・・空蝉に替えて詠んだのでした。

なので、タケウマさんが書いてくださったのはこちら。
芋の葉に包む空蝉捨てきれず・・・でした。

そのときは芋の葉が秋の季語だとは知らずに・・・だって、いつもの季寄せには書いていなかったのです・・・。
で、NETで調べればでてきました!立派な秋の季語・・・。
なので、空蝉(夏)と芋の葉(秋)が混在した句になってしまいましたね。

そこで、本来の句に戻して・・・

芋の葉に包む屍捨てきれず
いものはにつつむしかばねすてきれず
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