2010年09月03日

dasaku   家 族

              
 
 

              遅くまで ごくろう様と 長き夜 
 

 
 
 

今夜は仕事が遅くなり午前様。
 
このところ、
少し体調の悪い妻に、
先に休むようにメールしておいた。
今夜は更新もやめておくつもりだった。

帰って台所の明かりを点けると、
食卓の上にメモ。
娘の字だ。
妻にかわって、
いまさっきまで起きていたようす。

家族っていいもんだ。

そのメモを見て、
飯食って風呂入って、
ビール飲みながら更新してみるか。

少し、
仕事のプロジェクトもうまくいったことだし。

外はめずらしく雨。

長き夜。
 
酒の酔いに、
瞼は重く、
雨音は遠くなりにけり。

明日も早起きだ。

Good night. 
 

 

 

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2010年09月01日

dasaku   木漏れ日

              
 
  
 
                       八月の 足跡風に 揺れりけり 


 
 
 

記録ずくめの猛暑。
113年間で最も暑い夏に。
夕方のニュースがそう言っていた。

夏は、
毎年やってくるけれど、
今年の夏は一度だけ。

113年、という言葉を聞いて、
ああ、113通りの夏があったんだなあ。
様々の夏を、
それぞれの人々が生きてきたんだなあ。

自分の父も母も、
まだ生まれていないずっと前から、
夏はあったんだなあ、と思う。

当たり前のことだけれど・・・。
 
 
 
 

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2010年08月31日

dasaku   八月尽

              
 
 
 
                      八月を 掬ふて網の 底を見る 
 
 
 
 
 

いつだったか、
八月は引きずる月だと書いた。

喜びと悲しみが、
小石のように網に掬われて、
みんな捨てきれずに、
忘れようにも忘れられずに、
みんな底に重く残してゆく。

日々の忙しさや目まぐるしさが、
網の目を通り抜け、
ひとりぼっちになった時、
小石が鉛のように重くなる。

その昔、
足を鎖で鉄球に繋がれていた奴隷のように、
人はどこかで何かを引きずって生きている。

それでも、
網の底に残る、
なんでもないただの石ころに輝きを見出し、
珍しい小石を集める少女のように、
ささやかな幸せを発見する。

奴隷船が沈んでいくとき、
近くにある手斧で 自分の足首を切断した奴隷のように、
それは生きる勇気をもくれる。

幸せは、
小石のように、
そこらじゅうにころがっている。
 
 
 

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2010年08月30日

dasaku   釜茹での刑

              
 
 
 
                     五右衛門は せせら笑ふか この残暑 
 
 
 
 
 

釜茹でほどではないけれど、
連日、大阪は蒸し風呂の状態。

あまりの暑さに、
プールも逆に人出が少ないと、
先ほどのニュース。

続けて、
死刑制度の話。
絞首刑の話。
裁判員制度の話。

考えてみれば、
死刑は人間が人間の命を絶やすこと。
その是非の議論は別として、
律令国家を形成した昔からでも、
人間はあらゆる手段で、
死刑を執行している。

たまたま、
釜茹での刑を検索していたら、
あるわあるわ、
世界にはいろんな野蛮で残虐な刑がある。
ギロチンなどまだましな方だ。

残暑厳しき夜、
幽霊より同じ人間のすることに、
背中がゾッとする。

五右衛門に比べたら、
涼しき夜である。
 
 
 

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2010年08月29日

dasaku   黒 蟻

              
 
 
 
                     脈なくば 地より黒蟻 登り来る 
 
 
 
 

なんでもないイージーフライ。

捕れば試合終了で勝ったはずが、
まさかの落球でランナーが返って、
試合は振り出しに。

よくあるパターン。

それまで好投していたピッチャー。
仲間のミスを取り戻そうと、
少しだけ、ほんの少しだけ、
指先に力が入る。

どういうわけかストライクが入らなくなる。
続けての四球。
ランナーが溜まった所でサヨナラのホームラン。

ああいう所で踏ん張れないと、
信頼は得られないと気丈な弁。

昨日の新聞のスポーツ記事。
 
 

足元の、 
地面にころがる蝉の骸に、
蟻がいっぱいたかっている。

たった今、
置いたばかりの飲みかけの缶にも、
一匹の蟻が登り始める。

それを知らずに、
飲み口にいた蟻もろとも、
コーヒーは口の中へ。

舌触りの異物感で吐き出された蟻は、
地の砂の上をゆっくりと動き始めた。

いっしょに吐き出された液体に、
他の蟻たちが群れてきた。

ひょっとして、
それはかの蟻の策謀だったか。
 
 
 

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